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SDGsジャパンより2024年年頭のご挨拶

2024年年頭に当たり、一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク共同代表理事の大橋正明よりご挨拶をいたします。

 

地震と津波の被災者の方々へのお見舞い


辰年のお祝いを皆様に申し上げようとこの原稿を書き始めた元旦の夕方、令和6年能登半島地震と津波が発生し、大きな被害をもたらしました。SDGs市民社会ネットワークを代表して、被災者の方々に心よりご冥福あるいはお見舞い申し上げます。厳しい寒さの中での被災ですので、どうか健康に留意され、また公的支援や現地に駆けつけるNPO/NGO、災害ボランティアなどを積極的にご活用頂き、一日も早く復旧・復興を果たされることを強く祈念いたします。


SDGsにおける災害


さてSDGsは、災害をどのように扱っているでしょうか?SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」の実施手段11.aは、その後段で「仙台防災枠組2015-2030に沿って、あらゆるレベルで総合的な災害リスク管理の策定と実施を行う」と述べています。

「仙台防災枠組(Sendai Framework for Disaster Risk Reduction(以下、SFDRR)」は、日本政府が音頭を取って2015年5月に仙台市で開催した「第3回国連防災世界会議」で採択された、SDGsと同じ2016~2030年の国際的な防災のあり方を定めるもの、つまり災害版SDGsです。


災害による死者数


このSFDRRが掲げる7つのターゲットの1番目は「2030年までに地球規模での災害死者数を実質的に減らす」です。英国NGO「Global Change Data Lab」が発表する「Our World in Data[1]」によると、世界の災害死者数は10年間の年間平均で、2000年代には7万8,130人だったのが、2010年代になると4万5,274人、2023年9月までの2020年代では4万1,046人となり、順調に減少しているように見えます。ちなみに2023年を見ると、その9月までの災害死者数は6万2,162人と増えていますが、これは去年の異常気象による災害増加が原因と言われています[2]


この報告書が示す死者数は、2005年に神戸で開催された国連防災世界会議で採択された「兵庫行動枠組」に基づき、自然災害による死者だけを集計しています。しかし2015年に採択されたSFDRRは、人工的な災害も対象に含めるとしました。ですから比較のためには、これらの統計を修正する必要があります。


数万人の死者が生じているウクライナとガザ


人工的な災害の典型と言えば、戦争や武力紛争です。


2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻で、昨年9月10日までのウクライナ側の民間人の死者は9,614人[3]。昨年10月から始まったイスラエルによるガザ侵攻による年末までのガザ側の民間人死者は2万1,822人[4]、イスラエル側のそれは1,200人以上[5]と言われています。これらの死者数の合計は、大よそ3万3千人。これに公表されない軍人などの死者数を加えたら、おそらく10万人以上になると考えられます。これは正確には1年間の数字ではありませんが、2023年の9月までの自然災害の死者6万人を大きく上回る数字です。つまり、SFDRRのターゲット1は、実現していないことになります。


SDGs達成に向けて、みんなの力で辰/龍の怒りを鎮めよう


日本では古くから、大地を支える龍(辰)が地震の原因のひとつとされてきました[6]。想像を逞しくすると、この地球の中心にいる龍の怒りが今回の地震だけでなく、世界各地の武力紛争の原因になっています。災害や紛争は、誰も取り残さないSDGsの実現の最大の敵。みんなの力で今年早々にこの怒りをしっかり鎮め、平和や安全を日本や世界で実現したいですね。


 

[5] イスラエルの民間人の死者数:https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00007500T21C23A0000000/

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