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【開催報告】SDGsジャパン主催トークイベント「もう一度「C7」を開催するとしたら??」

6月8日、SDGsジャパンが主催するトークイベント「もう一度「C7」を開催するとしたら??」 が催されました。3回目のトークイベントとなる今回は、G7広島サミットの公式エンゲージメントグループのCivil7(以下、C7)運営委員を務めた、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン事務局長の木内真理子さんをお迎えし、SDGsジャパン理事・事務局長の新田英理子とともに、C7を振り返りました。


同イベントは、2030年SDGs達成までの折り返しとなる今年より始まった、「誰一人取り残さない」について深掘りするリレートークの第3回として開催されました。


【キーノートスピーチ①:木内真理子さん】

G7の公式エンゲージメントグループの一つである「C7(Civil7:市民社会)」は、G7諸国およびグローバル・サウスの市民社会で構成されており、G7に向けて政策提言書を作成・提出する役割を担っています。具体的な政策提言内容は6つの「C7ワーキンググループ」で議論されており、従来の環境、経済、保健、人道、社会に加え、今年は核兵器廃絶のワーキンググループが新たに設置されました。4月12日には、完成したC7政策提言書を岸田総理に手交。翌13日からは、世界中の市民社会や日本政府代表者を迎え、東京プリンスホテルでC7サミットを開催しました


C7では政策提言の他にも、メディアワークやパフォーマンスを展開してきました。これまでに11回の記者会見を開催し、計71本のメディア記事に掲載ました。


世界経済におけるグローバル・サウスの存在感が増し、G7の正当性を問う声も上がる中、C7の提言を通して「政府の持っていない視点」を取り入れてもらうことには意義があると感じています。C7の強みは、その圧倒的な参加数と幅広さにあります(世界72ヶ国から700名以上が参加)。G7首脳宣言に対するC7の最終評価は厳しいものでしたが、新たな「核兵器廃絶」ワーキンググループも含め、市民の声を広く発信できたことには大きな意義がありました。一連の活動を通して、政府と市民社会との距離が徐々に近づきつつあることを体感したと同時に、C7の存在感が今後一層増していくことが期待されます。


他方C7として振り返るべき点も多々あります。 例えば、「投資効果」。メディアワーク等を通じC7に対する認知は広がりましたが、その背後には事務局を始め関係者の膨大な資源(作業と時間)の投入がありました。また政策提言作成にあたっては、多様かつ専門的な意見が挙げられる中、それを簡潔に分かりやすくまとめて一般市民に伝えることに難しさを感じました。


過去に戻ってもう一度C7をやるとしたら、一般の方にG7やC7を「ジブンゴト」として捉えてもらえるよう、国内での広がりを促進することに力を入れたいです。また、C7活動中は広範で大量の情報が行き交います。これを適時適切に取捨選択する「軸」を得るには、G7やC7、エンゲージメントグループの歴史を学び直すことも重要だと痛感しました。そして次のC7の担い手を育成―7年後のようで、これも急務だと思いました。


【キーノートスピーチ②:新田英理子】

C7事務局として約1年半にわたって活動してきました。その経験を個人的な 「くもりのち晴れ」の評価とともに、3点指摘したいと思います。


1点目は、2023年3月から、日本全国28拠点を巻き込んだ「誰一人取り残さない SDGs折り鶴プロジェクト」を展開し、G7首脳会合や閣僚会合が開催されない地域の方々がG7に関わるための「階段」を提供することができたこと。2点目は、日本政府や日本の一般社会から見た「C7」や「市民社会」の位置づけを私自身が再認識できたこと。3点目は、C7という枠組みを通して、誰一人取り残さないSDGsを語り合える多くの団体・個人との連携の可能性が見いだせたことです。


本日のテーマでもある、「もう一度C7をやるとしたら?」ということですが、目標・目的づくりをより丁寧に進めたいと考えています。そのためには日常的な連携構築が重要だ、ということを今回改めて感じました。また、G7そのものの正当性・存在意義についても議論できる環境を整えることや、より幅広い市民社会がC7プロセスに参加できるよう、より細分化した「階段」を用意する必要があると学びました。


【ディスカッション】

ディスカッションでは、多様な意見を短期間でまとめることの難しさや、日頃からの連携の重要性、C7コミュニケにはSDGsの要素が散りばめられていることなどが議論されました。


「国際社会との関わりにおいて市民社会は進化しているのか」という質問に対しては、政策対話の「やり方」の習熟度が高まりつつある一方で、日本の市民社会が言語やコミュニケーション方法の違いを超えて、国際的なプロセスへ参画できるようさらに促進していくことの重要性が説かれました。また参加者の方からは、G7やG20のホスト国として活動するにあたり、日本の市民社会全体の総合的な力を日頃から磨いておくべきこと、またG7やC7のプロセスを通じて構築された関係性が日頃の活動に活かされると期待できることなどが指摘されました。


当日の様子の映像を公開しましたのでぜひご覧ください。


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