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〔開催報告〕9/6開催SDGsジャパン主催トークイベント「SDGsの根本を考える:誰一人取り残されない世界」



9月6日に一般社団法人SDGs市民社会ネットワークで、SDGsジャパン理事、さっぽろ自由学校「遊」事務局長の小泉雅弘さんによるリレートークを開催しました。


今回のリレートークではSDGsで伝えている「誰一人取り残さない」の本質が何かを根本的に考え、人々がSDGsに関わることの重要性を考えました。小泉さんからは以下の五点について詳しく説明いただきました。

一つ目は、今の経済のあり方を受容したままでは持続不可能ではないか、ということです。資本主義経済を無条件に前提にしたままSDGsを採択したこと自体が矛盾であり、経済活動のあり方を根本から考え直さなくてはなりません。

二つ目は、SDGsに軍事・戦争・核の問題が入っていないことです。例えば、被爆国であり、福島の原発事故を経験した日本にとって原発がクリーンエネルギーでSDGs達成に有効だと認めるのは難しいでしょう。

三つ目は、科学技術へのクリティカルな視点の必要性です。テクノロジー至上主義が当たり前の現代でも、テクノロジーの効用を鵜呑みにするのではなく、それによって引き起こされる弊害への批判的な見方が重要です。

四つ目は、市民の立場から考えると、公害問題=人権問題の視点が重要です。公害問題には誰に責任があり、誰が被害と被るのかという、加害者と被害者の明確な区別があるという自覚をもつことが必要でしょう。

五つ目は、市民の歴史・地域の歴史・過去を見てから将来を展望すべきだということです。SDGsは未来からのバックキャスティングだと言われることが多いですが、過去を見ること、脆弱な人々の声に耳を傾けることが重要です。


その後、参加者との議論で、再生可能エネルギーの開発過程で被害を被る人々の存在を認識すること、人々が一消費者としてSDGsへの意識を行動と結び付けること、年代に合わせたSDGsの広報活動をすること、また、アイヌでの産業振興は日本の植民地化過程だと捉え直すことが話し合われました。

SDGsの達成に向けて、立場の違いを超える努力や日本の社会・経済のあり方を根本的に見直す必要性が強調されました。


SDGs達成年まであと半分となった2023年。私たちのSDGsに対する意識が表層的なものから本質的なものへと変わる必要があります。



本イベントの録画をこちらからご覧いただけます。



10月のリレートークでは、SDGsジャパン理事で、特定非営利活動法人岡山NPセンター代表の石原達也さんに登壇していただきます。「それで結局SDGsで地域はどう変わったのか?そしてこれから、どう変わるのか?」というテーマで、「誰一人取り残さない」事業活動について、その実践を伺います。



(SDGsジャパン インターン 三宅)


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