SDGs Runners 山口産業株式会社様(SDGsジャパン企業会員)
当企画はSDGsジャパンの学生ボランティアによる、各セクターのSDGsへの取組み事例を取材する企画です。SDGsジャパンの企業会員にご登録されている山口産業株式会社の代表取締役社長、山口明宏氏にお話を伺いました。Instagram記事はこちら
SDGsに取り組む経緯
当社はSDGsを教えてもらったときに、当社が代々行っている企業活動がSDGsかもしれないと気付きました。当社はSDGsを経緯以前に企業が向かうべき方向性を世界的に示してくれた道しるべだと考えております。当社の事業計画や生産活動、販売活動がSDGsに沿っているかを関連のお方々のご指導を受けながら企業としてあるべき方向性へ向かっております。
SDGsに取り組む中での苦労
当社は豚の皮をなめし、素材にして、靴やカバンのメーカーに販売します。これはSDGsの観点での苦労ではないかもしれませんが、海外ブランドから当社の豚の皮の調達が動物福祉の観点で基準を満たしていないために、今後は購入を控えさせていただくというお話をされたことがありました。そのときは国内線を何度乗り継いだか分からないくらいに飛び回って基準を満たした養豚場を探し回って、最終的には良い養豚場に巡り合えて首の皮を一枚繋ぐことができました。
SDGsへ若者ができる取り組み
若者に限らず、日々を生きる中で良いことと悪いことが分かったら悪いことは止めて良いことを行うとよいのではないのでしょうか。20代から工場の地所を竹帚で掃き掃除をしていて、当時は言われるままに行っておりましたが、あるとき地所内の桜の木の下で涼んでいる人に「ありがとうね」と言われて、良かった嬉しいなぁと思ったことがあります。決して感謝されたいとかSDGsとかを意識しているわけではありませんでしたが、色々と外に向けて働きかけてみるとよいと思います。
2030年(SDGs目標達成)/50~100年後に向けて 意欲的に取り組みたいこと
2030年までは、責任委譲ができれば一番ですが、それまでは私が責任を取りながら事業を展開できればいいなと考えております。50~100年後に踏み込んでしまえば、プロジェクトごとに目的を定めておりますのでそれが該当します。たとえばWORLD LEATHERプロジェクトは当社の技術を世界中へとモンゴルから始めていますが、工場から汚い排水ではなく綺麗な水を当社の技術で出しましょうと次世代に向けての目的があって進めています。
山口産業の具体的な取り組み
ラセッテーなめし製法という当社ならではの強みを活かして、「happy pig LEATHER」「MATAGI project」「MONY LEATHER」と3つのプロジェクトを立ち上げております。プロジェクトを進めるうえで、「工場排水のクロムがゼロ」「仕事のストレスがゼロ」「動物のストレスがゼロ」「不公平・不公正な取引がゼロ」をルールに決めています。たとえば2008年から始めました「MATAGI project」は、獣害削減を目的にイノシシやシカを駆除したときに頂く命の皮をムダにしないと生まれたプロジェクトです。獣を捕らえる罠は獣にストレスを与えないものを推進しております。現在の当プロジェクトの獣皮活用産地は約450カ所と拡大を続けています。
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