【SDGs Blog】子ども・ユースとともにSDG4(教育目標)の達成を政策提言
SDGsジャパンの事業統括ユニットのひとつ、教育ユニットの幹事団体である、NPO法人開発教育協会(DEAR)事業主任/SDG4教育キャンペーン2022事務局の八木亜紀子さんにエッセイ「子ども・ユースとともにSDG4(教育目標)の達成を政策提言」を寄稿いただきました。
※本エッセイは8月25日に発行されたメールマガジン「未来コトハジメNEWS」の巻頭コラム「ミラコト・サロン」に寄稿された原稿を加筆修正いただきました。
※教育ユニットはSDG4(教育:国際・国内課題の両方を含む)についての政策提言と広報・啓発、日本政府の実施指針のSDG4の実施状況モニタリングを行うユニットです。国際については21のNGOからなる教育協力NGOネットワーク(JNNE)が、国内課題については開発教育協会が中心となり、活動が行われています。
6月6日(月)、衆議院第二議員会館で「SDG4(教育目標)達成に向けた国会議員と子ども・ユースとの意見交換会」が開催されました。8名の子ども・ユースたちによる国内外の教育課題についての提言に、参加した与野党の国会議員11名は耳を傾け、SDG4達成に向けて議員として取り組むことを宣言しました。
さらに、子ども・ユースたちは7月14日(木)に文部科学省を訪問し、特に「子どもの意見表明権」の普及と実現について提言。8月4日(木)には外務省の職員と面談し、日本の教育援助の質と量の改善を訴えました。
この、子ども・ユースとの政策提言活動は、教育協力NGOネットワーク(JNNE)が2003年から取り組むキャンペーンとして実施しているものです。2019年までは「世界一大きな授業」、2020年からは「SDG4(フォー)教育キャンペーン」という名称で、毎年4~5月頃に展開しています。
キャンペーンではまず、SDG4に関わる課題について政党アンケートを行います。今年は8政党から回答を得ました。回答は政党名を伏せてウェブ上に公開し、広く子ども・ユース・市民から投票と提言を募集します。最後に、集まった投票と提言をもって、子ども・ユース代表が政党や国会議員、関係省庁に提言するのです。
この3年間で、オンラインや授業などで投票に参加した子ども・ユース・市民は延べ1万人になります。また、参議院議員選挙前の7月には、政党アンケート結果を紹介したツイートの閲覧数が112万件にのぼるなど、注目を集めました。
SDG4で目指している「質の高い教育をみんなに」を実現するためには、個人や民間団体による寄付や支援プロジェクトも大切ですが、より重要なのは、国が教育に予算を充て、質の良い、公平な教育の環境を整える「政策」を改善することです。
途上国政府は、教育予算を増やすよう努力すること。日本も含む援助国は、教育援助-特に初等・中等教育や女子教育、低所得国、紛争地域への援助を重視すること。そういった「政策」を実現させるためには、子どもも含む市民から、世界や国のリーダーたちに意見を述べ、提言することがとても大切です。
キャンペーンへの参加を通して、多くの子ども・ユース・市民が政策提言という方法を知り、自分たちの権利や力に気付くこと、行使することが、よりサステナブルな社会をつくっていくと信じています。
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